電気事業法改正案への要望書

電気事業法改正案への要望書
                            
今国会提出中の電気事業法改正案への要望書を、以下の団体と共同でまとめました。(一部略)


日本消費者連盟
WWFジャパン
日本ソーラーエネルギー教育協会
FoE Japan
eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会) 
日本環境法律家連盟(JELF)
電力改革プロジェクト 
       
 2013年2月に発表された経産省電力システム改革専門委員会報告を踏まえ、「電気事業法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、今国会に法案が提出されました。
 東日本大震災に続く福島第一原子力発電所の事故により、日本は原子力に頼らない社会への転換を迫られています。人が住めなくなるような放射能汚染の危険を伴う原子力発電と決別し、省エネルギーと、再生可能エネルギー(風力、太陽光など)やコジェネレーションなど分散型電源を活用する社会へと向かう決断と実行が求められています。電力システム改革によって、真に自由な競争が促進され、安定的かつ安価な電力の供給が実現され、消費者が主体的にエネルギーを選択できるようになることが求められています。しかし、同法案に示された改革の実施は遅すぎるため、これを最低限早める必要があると考えます。専門委員会報告が示した改革の工程表を尊重し、今国会経済産業委員会で下記の点を審議するよう要望します。

1 電力システム改革専門委員会報告に示された工程表を早急に実施して下さい。今国会に提出された電気事業法改正案において、改革の第二段階(電気小売業の全面自由化)、第三段階(法的分離による送配電部門の中立性の一層の確保と小売料金の全面自由化)を附則としたこと、特にこれを「2015年法案提出を目指す」と努力目標にとどめたことは著しい後退であり、許されません。遅くとも2017年までに改革を実施するため、同改正案において上記を電事法本則として、2015年に発送電分離の法案提出を行うことを明記ください。

2 新規発電事業者の参入と公平な競争促進、送配電網の独立性と透明性を確保するために、電事法本則において、新たな規制機関の創設を盛り込むことを求めます。この規制機関は人事・会計等において監督庁や電力事業者から独立した体制とし、情報公開や各種公聴会の義務づけなどにより、国民・消費者の知る権利を守り、その十分な意見表明の機会を設けるべきです。

3 電事法改正案附則(4)電気小売業の全面自由化(一般家庭で事業者を選択可能にする)を同法本則とし、2016年までの実施を明記するとともに、ピーク時の需要カットやデマンドレスポンス(適切な需要抑制の料金メニュー)の導入を事業者に義務づけることを求めます。

4 電事法改正案本則「広域的運営推進機関」(広域系統運用機関)の創設にあたって、需給逼迫など緊急時の利用だけではなく、平常時の広域運用を前提とすること、新規電源の接続受付は再生可能エネルギー電源の優先的系統接続、優先給電とすることを求めます。