原子力利用に関する基本的考え方への意見

原子力利用に関する基本的考え方への意見

去る6月5日まで「原子力利用に関する基本的考え方(案)(原子力委員会)」に対するパブリックコメントが募集されました。
原子力基本法(1955年)にもとづき、1956年に設立された原子力委員会が、国の原子力政策の長期計画を策定してきましたが、3.11原発事故後、原子力をめぐる環境の変化を受けて、長期計画ではなく「基本的考え方(案)」が策定されることになりました。
当プロジェクトでは下記のような意見を提出しました。

4の「原子力利用の前提となる国民からの信頼回復」は決して得られない。科学的知見や事実に基づいた議論や対話を行うならば、少なくとも日本のような地震国において、原子力利用が無謀であることは明らかであり、福島原発事故の反省になにも学んでいない現政府の方針には絶望するほかない。
ただちに原子力利用も核燃サイクルも断念し、国民からの信頼を回復するべきである。
「競争環境の出現等により〜課題解決に向けた措置の検討が必要」とあるが、他のエネルギーに比べてコスト面で太刀打ちできなくなった原子力補助金を出すという姑息な措置のことか? 再生可能エネルギーの技術的進歩、効率化は飛躍的で、CO2排出が比較的少ない天然ガスと合わせれば、コスト面、地球温暖化防止の観点から見て原子力が駆逐されるのは明らかである。
それが世界的潮流であり、その中で福島原発事故の惨禍を経験した後でもなお原子力にしがみつこうとする日本の姿はあまりにも愚劣で悲しい。
ただちに原子力利用をやめるという「基本的な考え方」に転換することを求める。